生酒、生詰め、生貯蔵?生ってなんじゃろ?
日本酒には、独特の単語や、言い回しがあって、正直、聞いたり、調べたりしないとわからないことがあります。
ここでは、疑問に思って調べたこと、知って面白いなって思ったことなどを、備忘録的にアップしていこうと思います!
最近、日本酒をよく飲むようになったし、ちょっとわかった気になってたわけですが、友達に、「生酒って何が違うの?」って聞かれ、「火入れしてないってことだよ。」と答えたものの、ラベルとかをよくよく見ると、生酒、生生、生貯蔵、生詰めとか色々ある。。
そこで、調べてみました!!
生酒と、表記されていないお酒の違いは、「火入れ(加熱処理)」をしているか、していないかです。
それは、日本酒好きの方なら、多くの方が知ってると思います。
単語自体からも、想像できますね。
ちなみに、この間アップした「多賀治」は、生原酒です。
火入れしてません。
原酒は、加水をしてないお酒です。
通常のお酒は、ちょうど良い濃度になるよう、お水を加えられています。
まあ、それは焼酎などでも同じですね。
通常の日本酒は、15%以下のアルコール度数ですが、原酒だともう少し度数が高いです。
何のために火入れをするのか?
日本酒は、米、水、麹(こうじ)を使って、発酵させて造られています。
そこでできる「醪(もろみ)」(お米がまだ残り、甘酒みたいにドロッとした液体)を絞って、私たちが飲んでいる日本酒となるわけです。
でも、絞っただけだと、まだお酒の中に発酵を進める菌が残り、発酵を続けてしまうんです。
糖をどんどん、アルコールに変えていってしまうんですね〜。
「今が一番飲み時!最高に美味しいー!」と絞っても、発酵が続いてしまっては、味がどんどん変わってしまうわけです。。
お客さんの手元に届き、飲む頃には、味が変わってしまっていたら、造る方も、飲む方もがっかりですよね。
そこで、 「火入れ(加熱処理)」をして、殺菌し、発酵を止めるんです!
そうすることによって、美味しい状態を保ち、保存期間を長くすることができ、安定した生産ができるのです。
もう一つの理由としては、腐敗を防ぐため。
発酵をさせる菌と共に、その他の雑菌も加熱処理で殺菌するのです。
一石二鳥ですね!
通常、「火入れ(加熱処理)」は、日本酒を絞った後、貯蔵される前と、瓶詰めする直前の、計2回されるのが、一般的です。
じゃあ、生酒って?
生酒というのは、その「火入れ(加熱処理)」を、一切しないお酒を意味します。
なので、その味わいは、フレッシュでみずみずしく、フルーティー!
でも、酵母がまだ生きている状態なので、味が変化しやすく、大変デリケートなお酒です。
昔は冷蔵保存ができなかったため、地元でしか味わうことができないものでした。
しかし!現在では、冷蔵、運送の技術が上がり、全国各地の生酒が楽しめるようになりました!!
冷蔵庫を発明してくれた人、ありがとうございます!
その生酒、ラベルをよく見ると、「本生」、「生々」、「生貯蔵」、「生詰め」など、生って書いてあるものがいろいろあります。
わかりやすく、下の図にまとめてみました ↓
通常のお酒
醪をしぼって、タンクに貯蔵する前と、瓶詰めする前の計2回、火入れ(加熱処理)をしています。
瓶詰めした後に火入れする蔵元さんもあります。
生詰め
しぼって、タンクに貯蔵する前に、1度だけ火入れ(加熱処理)をします。
瓶詰め前の火入れはしません。
秋に出される「ひやおろし」もこの生詰めに入ります。
ひやおろしは、春に絞られたお酒を、秋まで貯蔵し、出荷されるお酒です。
ひやおろしについて詳しくは、改めて秋に書こうかな 笑
生貯蔵
しぼった後には火入れ(加熱処理)をせず、タンクに貯蔵し、出荷される瓶詰めの前に1度だけ火入れ(加熱処理)をします。
酵母の生きている生の状態で、貯蔵されています。
「生詰め」、「生貯蔵」は、1度ですが火入れ(加熱処理)しているので、「半生」な状態ですねw
やはり「生酒」よりは、フレッシュ感が落ちます。
でもその分、まろやかさが出てくる感じがします。
どちらが優れているというよりは、人それぞれの好みですね。
フルーツジュースや牛乳でも、加熱処理されているかしてないかで、フレッシュさが違いますよね。
加熱処理されると、雑味がなくなって、クリアな味になる印象。
「生酒」は、酵母や微生物がまだ生きている状態なので、必ず冷蔵庫に入れて保存してください。
温度が高い状態で保存すると、味が劣化してしまいます。
そして、開封後は、フレッシュ感がある内に、早めに飲み切りましょう。
味が変わるのが、けっこう早いです。。
新鮮さが命の「生酒」、みずみずしさを楽しんで、いただきましょう!