ゆらゆら日本酒ライフ in 名古屋

日本酒についてあれやこれやを ゆらゆらと書いています。日本酒に合うおつまみや日本酒イベントも紹介してます。

日本酒の「無濾過(むろか)」ってどういうこと?

大型連休も終わってしまいましたね~。
皆さんはゴールデンウィーク、楽しく過ごされましたか?
私はというと、連休中はちょっと遠出をしたり、友人の集まりに顔を出したりと、なんだかんだ飲んだくれ、ゆっくり休めたんだか、逆に疲れたんだかよくわからない状態になっています。。
休み明けあるあるですね 苦笑

さて、今回は以前から疑問に思っていた「無濾過(むろか)」について、ちょっと掘り下げて、調べてみようと思います!
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なんで疑問に思ってたかというと、「日本酒って、基本的に透明じゃん。」ということですよ。
濁り酒とか、白くてドロッとしたのならわかるけど、透明なのに無濾過なの?
まぁ、素朴な疑問ですね。
そんな素朴な疑問から出発いたします!

透明なのに、無濾過なの?

日本酒は、米や水、麹菌、酵母などを使い、発酵させて作るお酒です。
なので、仕込み中の「醪(もろみ)」は、白くてドロッとしています。
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この状態のものを、「圧搾機(ふね)」で搾って、酒と酒粕(さけかす)に分けます。
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ここですね!
この工程が、どうやらポイントになるみたいです。

「醪(もろみ)を酒と酒粕に分離する」=「こす」

この「圧搾機」で、お酒を搾り、酒粕と分けることが、「こす」という工程になります。

そしてなんと、日本酒において、「こす(濾す)」「濾過(ろか)」は、別ものなんです!

 

ちなみに、国税庁のHPに「こす」の意義 が明記されています。

“第3条 その他の用語の定義”の11項目

「こす」の意義
酒類の製造方法の一つである「こす」とは、その方法のいかんを問わず酒類のもろみを液状部分とかす部分とに分離するすべての行為をいう。
国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁

この「こす」作業をしていないと、「清酒」とは認められないそうですよ。

では、日本酒の「濾過」ってなに?

圧搾機や袋などで搾られる「こす」工程を経て、さらに「濾過(ろか)」という工程に入ります。

原酒に残っている米や酵母などの小さな固形物を除去し(滓引き)、さらに残っている細かい粒子や雑味の成分、お酒の劣化の原因となる物質などを取り除くために行なわれるのが、「濾過(ろか)」です。
脱色、香味の調整を目的としても行われます。

「濾過(ろか)」の方法としては、ざっくり分けると、2タイプあるそうです。
1つは、粉末状の「活性炭」を入れ、濾過機にかける方法。(炭濾過)
2つめは、「活性炭」を使わずに、濾過機にかける方法。(素濾過)

「濾過機」には、専用のフィルター・ろ紙・木綿・珪藻土など、いろいろ種類があるようです。
蔵によって、違ったり、使い分けていたりするんでしょうね~。
どれを使っているとかわかったら、またさらに日本酒を味わうのが、面白くなりそうですね♪

さて、ここまできたら、思いますよね?

「なるほど、濾過機を通してないのが、無濾過なのか~!」って。

でも、それ、違うんです!!
どうやら、違うらしいのですよ、これが。。

「無濾過」ってことは、全く濾過機を使っていないお酒を指しているのだと思いますよね?

しかし、蔵によっては考え方が違うようです。
濾過機は使ってるけど、「活性炭」を使っていなければ、「無濾過」として表示されることが多いのだそうです。
つまり、上で説明した2番目の濾過方法なら、「無濾過」扱いになるのがわりと一般的らしいです。
なんのこっちゃ?って感じですが、はっきりした決まりがないようですね。

活性炭も濾過機も一切使っていないお酒は、「完全無濾過」って表記があるそうです。
わかりやすいのか、わかりにくいのかも、はっきりしないぜ。

ともかく、濾過することで、味わいや香り、色味などを調整し、クリアなお酒に仕上げることができるのです。
ただ、濾過をすることによって、搾りたてのお酒が持つ風味はなくなってしまうそうです。

なので、濾過されていない「無濾過」のお酒は、よりできたてに近い、本来のお酒が持つ風味を味わうことができるのです!

だいたいは「無濾過生原酒」という形で出されていると思います。
「生原酒」、つまり「火入れなし」「加水なし」のお酒ですね。
「生」については、こちらの過去記事で書いています↓
sake-life.hatenablog.com

「無濾過生原酒」の味わいとしては、どっしり重めで濃い味のお酒が多いですね。

軽めでクリアなタイプが好みの方は、濾過してあるお酒の方が良いかもしれませんね。
でも、もし同じ銘柄で両方出ているのを見つけたら、両方買って飲み比べてみるのも楽しそう♪

本来の味わいと、調整された味。
その蔵の方向性が見えてくるかもしれませんよね〜。
勝手に想像するだけですけど、そういうのもまた、日本酒の楽しみ方の一つかなと思います♪